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小学生〜中学生野球の投球障害予防活動 〜柔軟性の評価・身体組成の評価について〜
皆様こんにちは久我です。
前回の予防活動の記事の続きを今回も書いていきたいと思います。
前回は、野球において『肩関節の痛み』『肘関節の痛み』のそれぞれどの様な疾患があるのか、なぜ早期発見をする必要性があるのかについてお話ししました。
本日は、予防活動の『柔軟性の評価』と『身体組成の評価』についてお話しをしていきます。
まずは、柔軟性の評価・・・・
ここでまず見るのは、野球に必要な動きが出来るかどうかのチェックを行います。
単純に身体の柔らかさがあっても競技上で使えるかはまた別物になってきます。
ではどの様な動きをチェックしていくのか・・・・をご紹介していきます。
1、ブリッジ
皆さんは上記の写真の様にブリッジは出来ますでしょうか?!
この様に綺麗な半円を描けるほどのブリッジを出来る人は中々いません。
こちらの写真はMLB史上最速となる169キロを投げたチャップマン投手です。
チャップマン投手の様にしなりのある柔軟性を獲得することで、早く伸びのあるボールを投げることが出来ます。
また、肩・肘関節への負担を軽減する事にも繋がります。
ではなぜしなりが出来るのか?!・・・・
それは、胸郭と言って胸を張る(反らし)動き、胸椎の可動範囲が広がることによってしなりができます。
胸が張る動きが出来る事で、『腕を上げる動作』、『腕を回す動作』もスムーズに行える様になります。
『猫背』と『胸を張った状態』とで、腕の上がり具合を比較して見て下さい。
バンザイしている人で、背中が丸くなってバンザイする人はいないかと思います。
投球時は必ず胸を反らして投げようとします、なので猫背傾向に強い人で早いボールを投げようとしたときには、いずれ必ず身体を壊します。
なので早いボールを投げている人で胸郭周りが硬い人は要注意!!です。
このような背中の硬さ、股関節の硬さがないか、客観的に『見える化』する為に個々で写真撮影し、記録していきます。
2、股関節内旋の柔軟性
次に股関節です。
投球時に股関節の硬さを指摘されることが多いかと思います。
股関節が硬いのはパフォーマンスに影響を与えます。
では股関節のどの動きが硬いと問題なのか!?・・・・
それは『内旋』という可動域です。
悪い例を挙げると、身体が開く様なフォームを投げる時です。(⇩下記の画像)
*(A)開いてない状態(B)開いて投ている状態
右投げの人で例えると・・・・
左ステップ足のつま先、左膝が外側に開いているフォームをよく見るかと思います。
この状態の時、左股関節は『外旋』と言って膝の向きが投げる相手に対して、真っすぐではなく外側に向いてしまう事を言います。
外旋方向への(膝が外側に向いている事)力が働くことで・・・・
・下半身が踏ん張れなくなり、上半身の開きが早くなる
・開きが早くなることで、打者から投手を見たときに、ボールの出どころが分かりやすく打たれやすくなります。
身体の開きが早いと影響してくるのが他にも・・・・・
・投げたボールの軌道がシュート回転
・腕と体幹の距離が遠くなる影響で、肩への回旋力(捻れる力)と肘への外反力(後にしなる力)が過剰に掛かり障害リスクの増加にも繋がる。
なので結果的に、股関節の内旋可動域が低下することで、身体の開きが早くなりパフォーマンスの低下に繋がります。
身体組成の評価について・・・・
まず身体組成とは何か!?
身体組成は身体の成分組成のことで、骨、脂肪、筋肉などの事です。
運動に必要な筋肉や体脂肪率などの数値を用いて、個々のデータとして管理していきます。
その中の一つのデータとして、除脂肪量を割り出します。
除脂肪量とは・・・・体重から体脂肪を除いた値を言います。
この除脂肪量が高ければ高いほどパフォーマンスも高くなると言われています。
プロ野球選手で活躍している選手はこの数値が高い選手が多いです。
実際に現場でも上手いなと感じる人やパワーある選手、早いスピードを投げる投手、全体的にパフォーマンスが高く感じる選手はこの除脂肪量を測定すると高い数値を割り出すことが多いです。
それらのデータと、実際の身体の硬さや筋出力などをチェックし各々の弱点が分かります。
弱点が分かればあとは、どこをどの様に改善していけば良いのかが明確になり、選手に対して具体的なアドバイスが出来ます。
上記の内容などは一部の紹介ではございますが、予防活動での選手、親御様への『見える化』を図り、客観的な視点で自分の身体と向き合ってもらう、一つの良い機会になってもらえればと思い活動をしております。
投球障害予防活動にご興味のある方はお気軽にご相談ください。(チームへ訪問しての実施も可能です。)
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